
うちの2歳児が”バカ”なんて言葉を!
いったい誰からそんな言葉を覚えたの?

子どもが”暴言”ととれる言葉を発したとき、叱っても良いものなのか、親としての対応に悩みますよね。
今回は私の実体験と監修者のまるめさん(チャイルドコーチング資格保有者)によるアドバイスも交えて、2歳児が「バカ」と言う理由と親ができる具体的な対策について解説します!
- 子どもが暴言を言う背景
- 冷静に対処する方法
- 言葉遣いを改善するヒント

おかゆ
元トリマーのペットライター。不妊治療をきっかけに、フリーランスのライターとして活動開始。
2年目より編集、3年目にペット関連の記事監修も担当。育児と仕事の両立に苦労した経験をもとに、ママライターチームを発足。
夫・息子の3人暮らし。趣味は息子の寝相画像の収集。
【保有資格】
愛玩動物飼養管理士2級
老犬介護スペシャリスト
ペットシッター

まるめ
副業ママライター。子どもの手が離れてきたのを機に活動をスタート。わかりやすさと温かみを大切に、ていねいな記事を心がけて執筆。得意分野は経験を活かした家事・育児。
家族の笑顔と自己成長が原動力。新しい学びは大きな喜び!
7歳差姉妹の母。推しは家族。日帰り旅行とおもてなしが好き。
【保有資格】
JADP認定チャイルドコーチングアドバイザー
目次
2歳の息子に「バカ」と言われた日
ある日突然、息子に「バカ」と言われました。
我が家の息子は現在2歳9カ月で、幼稚園の「満3歳児クラス」に通っています。
幼稚園に通いだしてからというもの、彼の成長スピードは驚くほど速く、できることがどんどん増えていくことを微笑ましく感じていました。
心も身体も成長し、言葉もぐんぐんと吸収していき、入園前には「ぎにゅ(牛乳)」など単語だけの発語だったのが、今や「ドクターイエローはしらせてみよー」といった文章になってきたんです。
ある日、いつものように家で息子と遊んでいたときに、事件が起きました。
何の脈絡もなく、突然息子がニコニコと笑いながら、私を見て「バカ」と発したのです。
……ん?
……今、バカって言った??
私は、しばらく脳の処理が追いつかずフリーズしてしまいました。
そんな私に、息子は再度「バカ」と言い、きゃっきゃと笑っています。
(これは…もしかして幼稚園で覚えてきたのかな…)
彼にとっては悪気など全くなく、ただただ「自分が覚えた言葉」を口にしているだけなのだと思いました。
そのため「ダメだよ!」と叱るのもちょっと違うよな…と心の中では動揺しつつ、私が出した結論は『反応しない』でした。
「バカ」に対しては返事をせず、他のことに気を向かせるため遊びに誘いました。
2歳児が「バカ」と言う理由と背景を知ろう
2歳の子どもが突然「バカ」と言うと、ママとしては驚きますよね。「どこで覚えたの?」「どうしてそんなことを言うの?」と悩む気持ちもよくわかります。
でも実は、成長の一環でよくあることなのだと知ることができたら、安心するのではないでしょうか。
ここでは、2歳児が「バカ」などの、いわゆる“悪い言葉”を言う理由や背景について、チャイルドコーチング資格を持つまるめさんにお話を伺いました。
周囲の言葉をそのままマネしている
まるめさん:お話がじょうずになってくると「ちゃんと意味を理解して話しているんだ」と感じる瞬間も増えてきますよね。でも実際には、2歳ごろのお子さんは、短くて覚えやすい言葉に特に反応しやすく、「音」としてマネしていることがほとんどです。
この時期のお子さんは、周囲の会話やテレビで耳にした印象的な「音」を繰り返していることがあります。驚くこともありますが、成長過程でよくあることなので、落ち着いて様子を観察してみましょう。
言葉の意味を理解していない
まるめさん:2歳ごろのお子さんは、言葉の意味をまだ十分に理解できていません。この時期は、言葉を「音」として楽しむ感覚が強いため、「バカ!」のような強い言葉を無邪気に使うことが多いといわれています。
また、イライラなどの感情をうまく表現できないときに、自然と強い言葉が出る場合もあります。こうした場合は気持ちを代弁して「○○ちゃん、イライラしてるんだね」と受け止め、安心させてあげましょう。
親の反応を試している
まるめさん:2歳ごろのお子さんは、周囲をよく観察しています。「バカ」などの言葉を口にしたとき、親が驚いたり怒ったりすると、そのリアクションを楽しんで繰り返してしまうことがあります。聞いた言葉を使うことで「どんな反応が返ってくるか」学んでいるんですね。
過剰な反応をせず「違う言葉を使ってみようね」と優しく伝えることが効果的です。時には笑顔で軽く流すと「この言葉を言っても楽しくない」と感じ、自然と使わなくなることもありますよ。
子どもの暴言に親がパニックにならないコツ
今回、私が息子に「バカ」と言われたとき、とっさに「反応しない」という対応を取りました。
子どもから暴言が発せられるとかなり動揺しますが、こんなときにパニックにならず冷静に対応するコツをご紹介します。
カッとなったら一旦クールダウン
2歳児はまだ言葉の意味を完全に理解していないことが多いです。「バカ」という言葉も、誰かの真似をして言っているだけで、悪意があるわけではありません。
それでも親が怒りや驚きをあらわにすると、子どもはその反応を面白がり、さらに繰り返す可能性があります。
子どもが「バカ」と言ったときは、親自身が深呼吸して一旦気持ちを落ち着けましょう。
気持ちが落ち着いたあとに、あくまでも平静を装いながら「その言葉は良くないよ」と優しく伝えることで、子どもが自然とその言葉を使うのを控えるようになるでしょう。
怒りではなく穏やかな声で対応する
2歳児は親の感情に敏感です。怒られることで萎縮したり、逆に「怒られるのが楽しい」と感じてしまう場合もあります。どちらにせよ「なぜその言葉がダメなのか」を理解させることが難しくなります。
以下のように、冷静かつ穏やかな声で伝える方法を試してみてください。
- 「どうしてその言葉を言ったのかな?」と問いかけてみる
- 「その言葉は悲しい気持ちになる人がいるから、使わないでほしいな」と感情を伝える
言葉がけの際には、ゆっくりとした口調を心がけ、子どもが聞き取りやすい表現を選ぶことがポイントです。
子どもと目線を合わせたコミュニケーション
小さな子どもにとって、親と目線を合わせることは安心感につながります。特に2歳児は、親の態度や表情から多くを学び取っているんです。
まずは子どもの身長に合わせてしゃがみ、同じ高さで話しかけるようにします。穏やかな表情を保ちつつ、少し間を取りながら「その言葉はママは悲しいよ」と伝えましょう。
しっかりと目を見て伝えることで、子どもは「親が自分に真剣に向き合っている」と感じ、自然と受け入れやすくなるかもしれません。
家庭で始める子どもの言葉教育のコツ
家庭は子どもの第一の学びの場です。親が意識的に子どもの言葉教育に取り組むことで、自然と良い言葉遣いを身につけられるようサポートできるでしょう。
家庭で簡単に取り組める言葉教育のコツを、まるめさんに伺いました。
絵本や歌を活用する
まるめさん:普段の遊び時間に絵本や歌を取り入れると、優しい言葉を学ぶきっかけになります。絵本や歌には「ありがとう」「どうぞ」「いいよ」など、素敵な言葉がたくさん詰まっていますよね。
読み聴かせや歌うときには、感情を込めるひと工夫を。「ありがとう」はやさしく笑顔で、「かなしい」は低くて小さな声で表現するなど、言葉に込められた感情を一緒に伝えてみてください。親子で楽しみながら、自然と言葉の世界が広がっていきますよ。
子どもに寄り添う褒め方を意識する
まるめさん:お子さんは周囲の言葉をよく聞いています。「バカはダメ!」と否定するだけでは、言葉の意味が分からないお子さんは、どうしていいか困ってしまいます。そんなときは代わりに「好きって言おう!」と具体的に教えるのがおすすめです。
また、「ありがとう」が言えたら、「その言葉、嬉しいよ」と伝えることで、子どもにとって「ありがとう」は笑顔になる言葉と感じられるようになります。褒めるときは、行動と一緒に言葉の持つポジティブな意味を伝えてくださいね。
叱る場面を見直し、学びにつなげる
まるめさん:悪い言葉が続くと、ついイライラしてしまいますよね。「また言った!」と叱らず「今、どんな気持ち?」とお子さんに問いかけてみましょう。
話の聴くときは、目を見て、話をさえぎったり誘導したりせず、お子さんから話してくれるまで待つことです。「いやな気持ち」と返ってきたら「どんな言葉がやさしい気持ちになるかな?」と一緒に考えてみてください。
また、まだ自分の言葉で気持ちを伝えられない小さなお子さんには、正しい言葉を教えながら「こういう言葉のほうが優しいね」と繰り返し教えてあげてください。
親自身も豊かな言葉を意識しつつ、悪い言葉が出るのも成長の一部と受け止め、お子さんとの対話を楽しみましょう。
おわりに | 親子で育むコミュニケーションのヒント
2歳児が「バカ」と言う理由について、以下にまとめます。
- 周りで聞いた言葉をマネしている
- 言葉の意味をまだ理解していない
- 親の反応を試している
「どうしてこんなことを言うの?」と焦らず、子どもの言葉の背景を理解して、冷静に対応することが大切だと感じた出来事でした。
我が家の息子は、今回の事件以降は「バカ」という言葉は使わなくなったので、ひとまず安心しました。
「こんな時期もあるんだな」と、子どもの成長のひとつだと楽しむ気持ちだったのが良かったのかもしれません。
