
「子どもの運動能力を育てたいけど、どんな遊びをすれば良いのかな」
「外遊びに連れていく体力がない」

子どもの運動能力を育てるには、年齢に合わせた運動遊びを親子で楽しむことが大切です。
とはいえ、広い庭はないし忙しくて公園に行く暇もないという人は多いのではないでしょうか。
この記事では、作業療法士であり3児の母である私が、自宅で特別な道具を使わずできる運動遊びを年齢ごとの発達段階に合わせて紹介します。

すみこ
元作業療法士のママライター。小学生2人と幼稚園児1人、3人の子育てをしながらライター業務とメディア運営を実施中。
執筆ジャンルは育児、教育、医療が中心。趣味はAmebaブログ(主婦ジャンル)、読書、カメラ。
苦手なことは整理整頓と掃除。丁寧なくらしに憧れるズボラマザー。
【保有資格】
作業療法士
ケアマネージャー
認定フェムテックアンバサダー
目次
年齢別|親子で楽しめる運動遊びアイデア
1~5歳までの子どもの運動発達は目覚ましく、個人差はあるものの、次々にできることが増えていきます。
子どもの運動能力を高める遊びを、年齢ごとにご紹介します。
1歳〜2歳向けの運動遊び
1~2歳は多くの子が歩き出す・走る・ジャンプする・階段を昇り降りするといった運動面での発達がみられます。
ボールや風船など大きなものを触ったり蹴ったりすることも上手になる時期です。
しっぽ取り
しっぽに見立てたハンカチやタオル、紐などをズボンのゴム部分に挟み、お互いに取り合いっこをします。ネズミやネコなどの子どもが好きな動物になりきって遊ぶとより一層楽しめます。
室内で遊ぶ場合は、壁やものにぶつかってケガをしないように気を付けましょう。
新聞紙あそび
新聞紙は1〜2歳の子でも簡単にちぎったり丸めたりでき、指先の巧緻性(こうちせい:手先の器用さ)アップにつながります。
丸めた新聞紙を投げて玉入れのように遊ぶのも楽しいでしょう。細かくした新聞紙をシャワーのように浴びるのもおすすめです。新聞紙の上に子どもを乗せて引っ張り、電車ごっこをする方法もあります。
カシャカシャという音や感触が心地よい点も新聞紙あそびのメリットです。
3歳〜4歳向けの運動遊び
3~4歳になると、個人差はあるものの1~2歳児よりも走る速さやジャンプする高さがアップします。バランス感覚が向上し、片足立ちや平均台歩き、物を運ぶのも上手にできるようになります。
色々な動作を組み合わせた運動遊びをすると良いでしょう。
けんけんぱ
けんけんぱは、片足立ちでのバランス感覚とジャンプ力を養いながら楽しめる遊びです。
屋外で遊ぶときはフラフープを使ったり、チョークで円を描いたりして目安を作ると良いでしょう。
室内であれば、「扉のところまで、けんけんぱで行こうね」という具合にゴールを設定してあげると良いでしょう。
サーキット遊び
さまざまな障害物を用意して、サーキット遊びをするのもおすすめです。
ジャンプ、前転、トンネルくぐり、平均台(細い道)などを設置したコースを作り、スタートからゴールまでの道のりを楽しみましょう。
家の中では、マットや段ボール、イスなどを利用してコースを作りましょう。
5歳以上向けの運動遊び
5歳以上になると、ボールや縄など道具をつかって遊ぶことが上手になります。
自転車に乗れる子も増えてくる時期です。
なわとび
なわとびは、ジャンプしながらタイミングを合わせて縄を回す必要があり、手と足の協調運動が必要な遊びです。まずは大人が縄を回して跳ぶことから始め、跳べたときの達成感を感じてもらいましょう。
5歳になると前跳びや後ろ跳びだけでなく、あや跳びや駆け足跳びなどの跳び方ができるようになる子もいるでしょう。
なわとびを楽しむことで、持久力・手足の協調性・リズム感が鍛えられます。
マット遊び
マット遊びは体をダイナミックに使った動きの練習になります。前転や後転、逆立ちなど普段とは異なる姿勢をとることでバランス感覚や柔軟性の向上が期待できます。
自宅では布団の上でころころ転がったり、相撲のようにお互いに押し合ったりして遊ぶのも楽しいですよ。
マットや布団から出てしまいケガをしないように十分注意して遊びましょう。
運動遊びを安全に楽しむポイント
子どもは想定外の動きをするので、運動遊びの際は安全面に配慮が必要です。
とくに公園など屋外で遊ぶときは、より一層、目を離さないように気を付けましょう。
安全対策と準備物チェック
- 靴の大きさは合っているか
- 靴のマジックテープはしっかり止まっているか
- かばんや水筒は外して遊んでいるか
- マフラーやひも付きの手袋など体に巻き付くものは身に着けていないか
- パーカーや上着など、フードやひもがついていないか
遊んでいる最中に靴が脱げて転倒しないように、足の大きさに合った運動靴を使用しましょう。
フードやひも付きの上着は、遊具やお友達に絡まることがあるので避けましょう。
- 外で遊ぶ場合は公園など安全な場所で遊ぶ
- 水分補給に注意して休憩をしながら遊ぶ
- 大人が多数いるからといって安心しない
公園への出入口を確認し、遊んでいるうちに不意に子どもが公園外へ出ないよう注意しましょう。とくに乳幼児期の子どもは園内と車道との区別がつかずに飛び出てしまうことがあるので注意が必要です。
夏などの暑い日はとくに、脱水に注意し、適宜水分補給を心がけて遊びましょう。大人が複数いるときこそ、油断しがちです。会話に夢中になり、子どもから目を離さないように注意してください。
親が一緒に楽しむ姿勢を見せよう
子どもはママやパパの笑顔が大好きなので、遊びの時間は親も一緒に、思いっきり楽しみましょう!親が一緒になって楽しそうに遊ぶと、運動遊びへのイメージがよくなり、長時間楽しんでくれます。
運動遊びの中では、手をつないでサポートしたり、抱き合って転がったりといったスキンシップが増え、コミュニケーションが自然に広がるでしょう。
スキンシップは愛情ホルモンといわれるオキシトシンの分泌を促進します。オキシトシンはストレスを解消し、子どもの心身の発達に重要な役割をするホルモンです。遊びの中で、たくさんスキンシップをすることがおすすめです。
親の運動能力や基礎体力が上がると、対応できる遊びの幅が広がります。親子で一緒に運動遊びを楽しみながら、心の安定と運動能力アップを図りましょう。
遊びを通じて子どもの成長を見守る
普段から一緒に遊んでいると、子どもの成長に気づきやすくなります。
「ボールをキャッチできるようになってきたね」「縄跳びで跳べる回数が増えてきたね」と、できるようになったことを具体的に褒めてあげましょう。運動発達は子どもによって差があるので、うまくできなくても叱ったり責めたりせず、その子のペースに合わせて見守りましょう。
やる気がアップし、運動遊びが好きになるような声かけが効果的です。
子ども向け運動遊び教室・動画の紹介
子どもの運動不足を解消するためには、プロの力に頼るのも良いでしょう。
子ども向け運動教室を利用する、自治体ごとの取り組みに参加する、自宅で動画を参考にしながら取り組むといった方法があります。
以下におすすめの方法を紹介します。
忍者ナイン
忍者ナインは、最新のスポーツ科学を取り入れた指導方法で「体の動かし方」を教える幼児・小学生向けスポーツ教室です。
全国各地に500箇所以上の教室を展開しています。
「運動神経は遺伝ではなく、環境により能力を高められる」という理念のもと、子どもたちが楽しみながら運動のコツを習得できるプログラムを実施しています。
すべての競技の基礎となる、「走る」「跳ぶ」「投げる」「打つ」「捕る」「蹴る」「組む」「バランス」「リズム」の9つの運動動作を習得するため、最先端のメソッドで開発した300以上のプログラムを用意しています。
幼児(年中〜年長)を対象とした「中忍コース」と、小学生を対象とした「上忍コース」があります。
お子様の各運動データからどんな競技に向いているのか診断できる点も魅力です。
無料体験レッスンを実施しているので、気になる方はお問い合わせください。
スポーツ庁・各自治体
スポーツ庁の「子供の運動あそび応援サイト」では、子ども向けの運動遊びやスポーツを紹介しています。イラストや動画でわかりやすく、年齢に応じた多数の遊びが載っています。
「運動遊び 〇〇都道府県名」で検索すると、各自治体が取り組んでいる活動が閲覧可能です。
福岡県では、「子どもの体力向上広場」というサイトが作られており、スポーツイベント情報や体力診断の方法、学級みんなで取り組むスポーツ遊びなどの情報が見られます。
お住まいの地域で運動遊びができる遊び場やイベントを検索し、親子でお出かけしてみましょう。
おわりに|親子の絆を深める運動遊びを取り入れよう
この記事では、親子で運動遊びを楽しむポイントを紹介しました。
- 各年齢に応じた運動遊びを楽しむ
- 安全対策をしっかりと実施する
- 親も一緒に楽しみながら成長を見守る
- 運動教室や動画も利用する
親子で一緒に楽しむことで絆が深まり、親も子も運動不足が解消できます。
忙しい方は短時間でも大丈夫です!自宅で簡単にできる運動遊びから取り入れてみましょう。
