
2人目を出産後、上の子が夜泣きするようになった
保育園に通い出してから、さらに甘えん坊になった

子育て中のママは、お子さんの突然の変化に戸惑っていませんか?もしかしたら、それは「赤ちゃん返り」の兆候かもしれません。
今回は、保育士歴8年、第2子妊娠中の筆者が、お子さんの赤ちゃん返りのきっかけや赤ちゃん返りを乗り越える方法をご紹介します。
親子で心穏やかに乗り越えるポイントをお伝えしていくので、ぜひ最後までご覧ください。

みずたま
保育士として8年間勤務。育児休業中にライティングを学び、職場復帰したのち、フリーランスのライターに転身。Kindle出版のサポートや、インタビュー取材にも挑戦中。文章を通じて人の心に触れる豊かさを感じている。
夫・娘の3人暮らし。趣味は手帳タイムでお気に入りの文房具に囲まれること、ライブ鑑賞。
【保有資格】
保育士資格
幼稚園教諭 免許
小学校教諭 免許
目次
赤ちゃん返りの原因とよくある行動
赤ちゃん返りは、環境が変わったことによって起こりやすい現象です。誰にでも見られる自然な姿であり、成長の証ともいえます。
その原因や現れ方は個人差があり、年齢や環境によって大きく異なるのです。
大変に感じる時期かもしれませんが、焦ったり心配しすぎたりしなくて大丈夫ですよ。今はお子さんの成長過程なのだと受け止めてあげましょう。
赤ちゃん返りが起こる主な原因

子どもの赤ちゃん返りの兆候が現れると、今までスムーズにできていた行動や生活習慣をやらなくなったり、自己主張が激しくなったりします。
そのため、「とっても手がかかるようになった……」と疲弊する保護者も少なくないでしょう。赤ちゃん返りが起こるきっかけは、主に3つの心理的要因が関わっています。
①不安やストレス
赤ちゃん返りのきっかけの多くは、環境の変化による不安です。たとえば、下の子の出産によってママと過ごす時間が減ったり、保育園や幼稚園などに通い始めたりすると、言葉にしなくても子どもの心は不安でいっぱいになります。
そうした不安な気持ちをうまく表現できず、赤ちゃん返りをすることによってママに伝えているのです。
②愛情欲求
「もっとママに見てほしい!」「もっと甘えたい!」「もっと可愛がって!」と、愛情を求める気持ちから、激しく主張したりワガママを言ったりと、手がかかる行動をすることも。
こうした「ちょっと困ったな〜」と思うような言動は、ママの気を引こうとする子どもなりの愛情表現のひとつなのです。
ママにとっては、しんどさを感じる時期かもしれません。ですが、「ちゃんと見ているよ」「あなたのことが大好きだよ」と伝えることで安心し、子どもの心は少しずつ安定していくでしょう。
③自己主張
年齢が低ければ低いほど、子どもは自分の気持ちを言葉でうまく伝えられません。特に1歳・2歳・3歳ごろは、自我が芽生える時期なので、感情のコントロールがまだまだ難しいのです。
そのため、ちょっとしたことで「イヤ!」「ヤダ!」と抵抗したかと思えば、ママに思いっきり甘えるなど、さまざまな方法で気持ちを主張することがあります。
よく見られる行動と症状

赤ちゃん返りによく見られる言動の1つ目は、「赤ちゃん言葉を話すこと」です。
「車」を「ブーブー」と言うなど、赤ちゃん言葉を話したり、「あ〜」「う〜」などの喃語を言ったりと、目の前の赤ちゃんの様子を真似しようとする姿が見られます。
ほかにも、赤ちゃんと同じように指しゃぶりをしたり、ママのおっぱいを飲みたがったりすることもあります。
2つ目は「夜泣き」です。
夜泣きは1歳半ごろまでにおさまるといわれていますが、赤ちゃん返りによって再び夜泣きがスタートすることも。
寝付くまでぐずぐずする時間が増えた、寝かしつけに時間がかかってスムーズにいかない…ということが増えたら、それは赤ちゃん返りの行動の1つかもしれません。
3つ目は「おねしょやおもらし」です。
トイレトレーニングが完了していたのにおねしょやおもらしが突然増えたり、パンツよりもオムツを履きたがったりしていたら、それは緊張や不安による心のサインかもしれません。
また、ママの注意を引くために、わざとおもらしをすることもあります。
赤ちゃん返りを乗り越える5つの方法

赤ちゃん返りは、子どもの不安な気持ちや、ママの愛情を求める気持ちがきっかけとなって起こることがわかりました。
できることなら、親子で心穏やかに赤ちゃん返りの時期を乗り越えたいですよね。次から、専門家も推奨する効果的な5つの対処法を紹介していきます。
- 感情的にならず、寄り添う
- スキンシップを増やす
- 自己肯定感を育てる
- のびのびできる環境を提供する
- 周囲のサポートを活用する
それでは、順に見ていきましょう。
1. 感情的にならず、寄り添う
子どもの気持ちが理解できなかったり、下の子のお世話に追われながら対応することに疲れてしまったり、どんなに可愛いわが子でもイライラすることってありますよね。
お子さんが急にワガママを言ったり、今までできていたことができなくなったりすると、つい大声で怒鳴ってしまったり、冷たく突き放したくなってしまうこともあるかもしれません。
でも、そうしてしまうと、お子さんの不安な気持ちがさらに大きくなってしまうことも。いつも以上にスキンシップを求めてきたら、ぎゅっと抱きしめてあげましょう。
訳もなく泣いているときには、「今は泣きたい気持ちなんだね」と、お子さんの気持ちを受け止めて寄り添ってあげることが大切です。
もちろん、危険な行為はきちんと制止する必要があります。その際も、落ち着いて優しく言い聞かせてあげましょう。
また、「これも成長の過程なんだ」「今は思いっきり感情を発散したい時期なんだ」「甘えたい気持ちなんだ」と、お子さんの赤ちゃん返りを一時的なものだと捉えるのも、ママの心を軽くする一つの方法です。
客観的に状況を把握することで、感情的にならずに、お子さんに対応しやすくなるでしょう。
2. スキンシップを増やす
赤ちゃん返りの裏側には、「もっとママに構ってほしい」というお子さんのサインが隠れているかもしれません。抱っこや手を繋ぐといったお子さんとのスキンシップは、大切な愛情表現のひとつです。
お子さんとの2人の時間を意識的につくり、ぎゅっと手を繋いだり、抱っこをしたり、膝の上でおしゃべりを楽しんだり、絵本を読んであげたりと、お子さんとの触れ合いを楽しみましょう。
スキンシップの時間を増やすことで、愛されていることや大切にされていることを実感し、心が満たされていくはずです。
スキンシップをとると、「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。これは、「幸せホルモン」「愛情ホルモン」「絆ホルモン」とも呼ばれ、愛着を深めるだけでなく「ストレス反応を弱める」「情緒を安定させるなど」の効果もあるんですよ。
「〇〇ちゃん(くん)が大好きだよ」「〇〇くん(ちゃん)がいてくれて本当に嬉しいよ」など、言葉で伝えることも効果的です。まずは、ママが無理なくできることから始めてみてくださいね。
12人産んだ助産師HISAKOさんの動画です♪
3. 自己肯定感を育てる
下の子が赤ちゃんの時期は、上の子に注意をする場面も増えるかもしれません。そんなときでも、お子さんの自己主張やありのままの姿を認めることで、自己肯定感を育んであげましょう。
例えば、1日の中で、「赤ちゃんのオムツを取ってきてくれる?」「一緒に洗濯物を畳んでくれる?」など簡単なお手伝いを頼んで、新しいことにチャレンジする機会を設けてみるのはいかがでしょうか。
お子さんが「やってみたい!」「できた!」という気持ちを大切に、思ったようにはできなくても、「ありがとう」「助かったよ」と、意識してたくさん褒めてあげましょう。
ありのままの姿を尊重されたことで、「今の自分を認められた」と感じ、情緒が安定していきます。
ここで、お手伝いを強制するのはNGです。お子さんが「やりたくない」「できない」と言ったときには無理をさせず、気分が乗っているときに取り組めるようにしてあげましょう。
4. のびのびできる環境を提供する
赤ちゃん返りをしているお子さんの要求にはできるだけ応え、安心してのびのびできる環境をつくっていきましょう。
子どもは、甘えと自立を繰り返しながら成長していきます。「できない」「やって」と甘えることもあれば、「自分でやりたい」「触らないで」といった乱暴な振る舞いをすることも。
けれども、お子さんは、意図的にママを困らせようとしているのではありません。自分自身ではコントロールできない感情を、赤ちゃん返りとして表現しているだけなのです。
「やりたい」と言うことを本人が納得するまで見守ってあげたり、「抱っこして」「絵本読んで」などの要求に可能な範囲で付き合ってあげたりすることで、お子さんの気持ちをたっぷり受け止めてあげましょう。
もちろん、ママが無理をする必要はありません。イライラに任せて言葉をぶつけるのではなく、お子さんが安心できるように意識的に声をかけてあげましょうね。
5. 周囲のサポートを活用する
子育て中のママは、1日中お子さんと過ごしていたり、赤ちゃんのお世話をしながら上の子の相手をしたりと、本当に忙しい毎日だと思います。
そんなときは1人で抱え込まずに、ぜひ周囲のサポートを活用してみてください。
地域の支援センター、子育てサロン、行政の子育て関連の窓口に相談するのも良いですし、パートナーや両親(お子さんにとっての祖父母)、幼稚園や保育園の一時預かりを利用するのも良いでしょう。
\1時間2,200円~のシッターサービス/

その際は、お子さんのお世話をお願いするだけでなく、ママが1人だけの時間を満喫し、リフレッシュすることも大切です。
1人でゆっくりと休むことに、罪悪感を感じる必要はありません。むしろ、ママがストレスを溜めずに心穏やかに過ごせることで、お子さんや家族みんなが笑顔になれるはずです。
疲れたときや休みたいときは遠慮せず周囲に頼って、心身ともに自分をたっぷりケアしてあげてくださいね。
おわりに|無理をせずに頼る勇気を持とう
赤ちゃん返りは一時的なもの、成長の過程のひとつ…と頭では分かっていても、実際に毎日向き合っていると心も体も疲れてしまいますよね。
お子さんとたくさんスキンシップをとったり愛情を伝えたりする時間を大切にしながらも、無理をして1人で頑張りすぎることは避けましょう。
ぜひ、周りの人に頼ること、そしてママ自身が心穏やかに過ごせることを1番に考えてみてくださいね。
今まで見たことのない子どもの様子に戸惑ったり、うまくコミュニケーションがとれずに悩んだり、辛い気持ちになることもあるかもしれません。
けれども、そんな時期も、いつかきっと笑って思い出せる日がくるはずです。焦らず、日々を大切にしながら、親子で一緒に乗り越えていきましょう!