
子どもにソフトクリームをあげたいけど、いつから与えていいの?
小さな子どもに市販のソフトクリームをあげても大丈夫?

ソフトクリームはスーパーやおでかけ先で気軽に購入ができ、冷たくて美味しいですよね。子どもと一緒に楽しみたい!と考える方も多いでしょう。
今回は、ソフトクリームを食べるのに適した年齢を解説します。あげる際の5つのポイントやおすすめレシピの紹介もあるため、ぜひ参考にしてください。

かん
元保育園の管理栄養士。2年間のイギリス生活で渡英後のキャリアを模索し、子育てと仕事の両立を叶えるためwebライターを始める。食育サイト「HAPIKU」でコラム連載を担当。食や生活などに関する執筆を中心に活動中。
趣味はカメラと千葉県内のスポット巡り。座右の銘は「ワクワクを楽しむ!」
【保有資格】
管理栄養士
食生活アドバイザー3級
目次
ソフトクリームをあげるのはいつから?適切な年齢とその理由
おでかけ先でソフトクリームを食べる親を羨ましそうに見つめる子どもの様子から、ふと「ソフトクリームは何歳からあげてもいいの?」と疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
ここでは、ソフトクリームをあげるのに適した年齢と、その理由について解説します。
ソフトクリームは1歳を過ぎてから
ソフトクリームを食べるのに適した年齢は「1歳を過ぎて離乳食が完了してから」です。
ソフトクリームはくちどけがよいため、小さな子どもにとって食べやすいのではと考える方もいるかもしれません。しかし、小さい子どもにはソフトクリームが適さない理由があります。
まず、ソフトクリームは大人が食べても甘さをしっかりと感じられるのが特徴です。甘味のはっきりしたソフトクリームのなかには、砂糖が多く含まれたものがあります。
1歳は出汁や食材本来の甘味を楽しんでいる時期のため、濃い味を知ってしまうと離乳食の進みに影響が出るでしょう。また、甘さの強く冷たいソフトクリームは、消化管に負担がかかります。
原料に「ハチミツ」が使われているものは要注意!
ソフトクリームのなかでとくに注意したいのが「ハチミツ使用」の商品です。
ハチミツにはボツリヌス菌が含まれている可能性があります。腸内環境の整っていない赤ちゃんがボツリヌス菌に感染すると腸内で菌が増殖し、最悪の場合、命の危険につながるでしょう。
消化管の発達が未熟で自然な甘味を楽しむ1歳未満の子どもに、ソフトクリームを与えるのは避けましょう。また、ハチミツ入りのソフトクリームには十分注意が必要です。
子どもにソフトクリームを安全にあげるための5つのポイント

子どもにソフトクリームを与える際は、安全への配慮が大切です。ここでは、子どもにソフトクリームをあげる際に押さえておきたい5つのポイントを詳しく紹介します。
- 初めては少量からスタート
- アレルギーの有無を確認する
- 市販品より手作りを選ぶ
- 頻度をコントロールする
- 食べたあとは早めに歯を磨こう
1.初めては少量からスタート
子どもにソフトクリームを初めて与える際は、少量から始めましょう。
子どもの胃や腸は1歳になってもまだまだ成長の途中であり、大人に比べて発達が未熟です。
ソフトクリームは冷たく、小さな子どもにとって刺激が強いため胃や腸の負担になります。一度にたくさん与えるとお腹が冷えるだけでなく、消化管に負担がかかったことによる腹痛や下痢を引き起こすでしょう。
初めてソフトクリームを試す際は、スプーンの先に少量のソフトクリームをのせ、様子を見ながら与えます。食べられたからといってたくさん与えず、日を置いて食べられる量を少しずつ増やすのがおすすめです。
また、子どもの1日の間食目安量は、1歳から2歳で100~150kcalです。間食は朝・昼・夜の3食で摂りきれない栄養を補うためにあります。
ソフトクリームを丸々ひとつ与えるのではなく、大人の分を少しだけ取り分けるくらいでよいでしょう。
2.アレルギーの有無を確認する
ソフトクリームを与える際は、アレルギーに注意しましょう。
ソフトクリームには、3大アレルゲンの牛乳や卵が含まれています。コーンには小麦、商品によってはナッツ類を含むものもあるでしょう。
牛乳や卵のアレルギーを持つ子どもが該当食材が含まれたソフトクリームを食べると、全身に湿疹が出たり呼吸困難になったりなどのアレルギー症状を発症します。
そのため、ソフトクリームを与える前に、子どものアレルギーに該当する食材が含まれていないかを必ずチェックしましょう。市販品はパッケージ表面だけでなく、裏面の原材料表示もしっかりと確認するのが重要です。
また、はじめての食材でアレルギー症状を発症するケースもあります。子どもが食べたことのない食材が含まれていないかにも注意が必要です。
3.市販品より手作りを選ぶ
小さな子どもへのソフトクリームやアイスクリーム選びに、市販品はあまりおすすめできません。
市販のソフトクリームやアイスクリームのなかには、
人工甘味料や着色料などが添加されていたり、大量の砂糖でコーティングされたりといったものも多く見られます。食材本来の甘さを楽しむ1歳未満の赤ちゃんに、積極的に与えるのはあまり適していません。
1歳や2歳がソフトクリームやアイスクリームを食べたがる場合は、市販品ではなく手作りのものを食べさせるとよいでしょう。手作りすれば砂糖の量が調整でき、添加物の心配もありません。
手作りが難しく市販品を与えるのであれば、商品の記載内容をチェックしましょう。
以下の表は、市販品の「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」の特徴と注意点を比較したものです。
| 分類 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| アイスクリーム | 乳固形分・乳脂肪分の含有量が多い。 シンプルな素材で作られていることが多い。 | おすすめ。素材がシンプルで高品質な場合が多い。 |
| アイスミルク | 乳固形分の割合が中程度。 植物油脂が含まれていることがある。 | 植物油脂の使用に注意が必要。 |
| ラクトアイス | 乳固形分の割合が少なく、 植物油脂が多く含まれている場合が多い。 | 乳成分が少なく、油脂の割合が高い商品が多い。 |
上記の表を参考にして「アイスクリーム」と表記された商品を選びましょう。
4.頻度をコントロールする
ソフトクリームは、誕生日やおでかけの日などに食べる特別なスイーツとして楽しみましょう。
甘いものを頻繁に食べる習慣を続けると、虫歯のリスクが高まります。また、補食が甘いものに偏っていると虫歯だけでなく成長後の生活習慣病の発症リスクにつながるとも考えられています。
さらに、日本の研究結果では「1歳6か月時点で甘い間食が習慣化していた児の多くは、3歳までにその習慣を改善できなかった。」との報告もあるのが現状です。
子どもが健康に成長するための土台作りには、小さい頃からの食生活が関わっていることが分かります。甘いものを食べる生活を習慣化させずに、特別な日のご褒美デザートとしてソフトクリームを楽しみましょう。
5. 食べたあとは早めに歯を磨こう
ソフトクリームを食べさせたあとは、できるだけ早く歯のお掃除をしましょう。
ソフトクリームはくちどけがよく歯に詰まる心配はありませんが、歯の表面に砂糖が付着します。
乳歯は永久歯に比べてエナメル質が薄いのが特徴です。エナメル質の薄い乳歯は虫歯になりやすく、とくに1歳から5歳の時期は注意が必要です。
ソフトクリームを食べてすぐに虫歯になることはありませんが、歯に砂糖が付着している時間が長くなるほど、虫歯の原因になります。そのため、食後30分以内を目安に歯磨きを済ませましょう。
外出先などすぐに歯磨きができない環境であれば、お茶を飲ませたり水でうがいをさせたりするのがおすすめです。
ソフトクリームデビューにおすすめ!簡単手作りレシピ

「子どもにソフトクリームをあげたいけど、市販品の添加物が気になる」と考えている方は、手作りで子どものソフトクリームデビューを迎えてみてはいかがでしょうか?子どもの好きな食材を混ぜれば、簡単にオリジナルソフトクリームがつくれます。
ソフトクリームは様子を見ながら冷やす時間を調整し、好みの硬さに仕上げましょう。絞り袋に入れる際、手の温度でソフトクリームが溶け出した場合は、再度冷凍庫で冷やしてみてください。
牛乳を豆乳で代用する、牛乳と生クリームの割合を調整する、潰したフルーツを入れるなどアレンジ方法はさまざまです。好きな組み合わせでソフトクリーム作りを楽しみましょう!
詳しいつくり方は、以下の動画を参考にしてください。
おわりに|安全第一で楽しいスイーツ体験を
この記事では「子どもにソフトクリームをあげる時期や注意点」についてご紹介しました。
- ソフトクリームは「1歳を過ぎて離乳食が完了してから」
- ハチミツ使用のソフトクリームには注意する
- 初めては少量からスタートしアレルギーの有無などを確認する
- 誕生日やおでかけの日などに食べる特別なスイーツとして楽しむ
- ソフトクリームを食べたら早めに歯を磨く
冷たくて美味しいソフトクリームは、子どもの消化管の負担にならないよう与える時期に注意しましょう。楽しいおやつタイムには、材料や甘さを調節できる手作りソフトクリームレシピを活用してみてください!
